IGBTについて

IGBTとは

IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)は、入力部がMOS構造、出力部がバイポーラ構造のトランジスタです。入力インピーダンスが高くスイッチング速度が速いというMOSFETの特徴と、飽和電圧が低いというバイポーラトランジスタの特徴を合わせ持ったトランジスタです。
IGBTの構造についてはIGBTの構造を参照してください。

IGBTの特徴

パワーMOSFETおよびバイポーラトランジスタと比較した場合のIGBTの特徴を以下に示します。

項目 パワーMOSFET バイポーラトランジスタ IGBT
構造(矢印はドレイン電流/コレクタ電流の向き)
Nチャネル

NPN
回路図
制御方法 電圧制御 電流制御 電圧制御
駆動電力 小さい 大きい 小さい
スイッチング速度 高速 低速 中速
耐圧 30 V~800 V程度 50 V~800 V程度 400 V~1200 V程度
大電流化 容易(1 A~100 A程度) 困難(2 A~25 A程度) 容易(15 A~40 A程度)
用途例
  • 低圧ステッピングモータ
  • 低圧/高圧ブラシレスDCモータ
  • スイッチング電源
  • オーディオ
  • 低圧/高圧ブラシレスDCモータ
  • ソレノイド
  • 高圧ブラシレスDCモータ
  • インバータ

IGBTの構造

IGBTの構造および特徴を以下に示します。パンチスルー型に比べ、ノンパンチスルー型やフィールドストップ型の方が、スイッチング速度が速い、低損失、薄厚化/小型化できるという特徴があります。

構造 パンチスルー型(PT型) ノンパンチスルー型(NPT型) フィールドストップ型(FS型)
断面図
スイッチング速度 低速 高速 高速
短絡耐量
製造難易度 容易 困難 困難

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