6. 受入検査に関するご注意

6.1 静電気

静電気に弱い半導体デバイスを取り扱う際は、破壊させないよう十分な静電気対策を行ってください。
9項「静電気対策」もご参照ください。

6.2 端子逆耐圧

ICなどの半導体デバイスは、基本的にグランドを基準に各端子の耐圧が定められています。
電気的検査を行う際、ICのグランド端子は0 Vにして検査してください。
ICのグランド端子に対して、各端子に負の電圧を印加すると、ICが劣化したり、破壊したりすることがあります。
また、ICの内部回路の寄生回路が動作したり、グランド端子以外の各端子間に電圧を印加した場合も、ICが劣化したり、破壊したりすることがありますのでご注意ください。

6.3 過渡電圧印加

半導体デバイスの特性を測定する際は、急峻な過渡電圧(dv/dtの高い電圧)を印加しないでください。半導体デバイスによっては誤動作したり、劣化や破壊したりする場合があります。
装置によっては電圧印加時に設定値以上のサージ電圧が印加される場合があります。電圧は0 Vから徐々に増加させてください。

6.4 ソケットによる抜き差し

ソケットを使用して半導体デバイスを測定する場合は、測定器の電源を切った状態で半導体デバイスを抜き差ししてください。
電源を切っても測定器に残っている電荷が放電しきらないうちに半導体デバイスを抜き差しすると、劣化や破壊の要因になることがありますのでご注意ください。
また、抜き差しの際は、パッケージ本体にストレスが加わらないようご配慮ください。

6.5 ソケットの選定

ソケットにはバーンイン用と実装用があります。
半導体デバイスを検査する際は、バーンイン用ソケットを使用し、ソケットは定期的に交換してください。
実装用ソケットは抜き差しに対する耐久性がなく、同じ半導体デバイスを繰り返して抜き差しすると半導体デバイスの端子表面のはんだメッキが削れ落ちる可能性があります。削れたメッキがソケット内部で端子間をショートさせ、半導体デバイスを劣化させたり破壊させたりする可能性があります。
また、一体成型されていない粗悪なバーンインソケットは、長期間使用すると内部でショートする可能性がありますので、ソケット選定の際はソケットの構造にもご注意ください。

当社の半導体デバイスは一、部を除きRoHS対応製品です。
お客様の方で、RoHS非対応の半導体デバイスを取り扱われている場合、これらを測定するためのソケットは必ず分けてください。
ソケットを兼用すると、RoHS非対応の半導体デバイスの端子部のはんだメッキが削れ、RoHS対応製品を汚染する可能性があります。

6.6 測定時の過電流制限

測定中に万が一、半導体デバイスが破壊した場合に備え、半導体デバイスの端子に過電流制限抵抗を直列に追加したり、過電流制限回路を追加したりしてください。

6.7 劣化した半導体デバイスの混入

電気的検査で半導体デバイスの端子間インピーダンスや電流–電圧波形がわずかでも変化した場合は、その半導体デバイスは量産する製品に使用しないでください。
このように劣化した半導体デバイスは、当初は問題なくても、お客様の製造工程や市場で劣化が進行する可能性があります。

6.8 端子の取扱い

電気的検査の際、半導体デバイスの端子を加工する場合は、半導体デバイス内部に応力ダメージを与えないよう十分にご注意ください。
端子を加工した際に応力ダメージを与えた可能性のあるものや、落下させたものは量産に使用する製品に使用しないでください。
7.1項「端子の加工」もご参照ください。

6.9 検査サンプルの保管

3項「梱包に関するご注意」、4項「保管に関するご注意」をご参照ください。


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